失敗の数だけ人生は面白い

「失敗」に対して厳しいクソッタレな世の中を打破して「挑戦」をしたくなる環境に変えていくことを目標に活動しています。

【本気の人に聞いてみた】「世界を変えたい」好奇心で動く男、白石陸とは?(後編)

本日は、「世界を変えたい」好奇心で動く男、白石陸くんへのインタビュー後編です。

前編はこちら↓

shippai-chousen.hatenablog.com

 

プロフィール

白石陸

駒澤大学に通う日本男児。大学の授業で学ぶ国際情勢に疑問を持ち、自分の足で確かめに行くために15年夏にケニアへ。好奇心だけで行動する19歳。路地裏にも総理官邸にも入り浸る。

 

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(話し手:白石くん 聞き手:りく)



りく:話は変わるんですけど、学生時代(中高時代)はどういった学生でしたか?

 

白石くん:その時から好奇心ばっかりでしたね。中学生の時は陸上部だったんですけど、陸上しながらスケートも始めていて。すごい怖い顧問の先生がいたんですけど「おれスケートの大会があるんで休みます」っていうくらい自分が楽しいと思った方へ行く学生で。あとは、人から受けた指示に対して自分の中で強い確信があることに関しては、例え先生でも物申すことができましたね。例えば、高校生の時にも商業高校なんですけど国際ビジネス科ってとこで簿記ばっかりやっていたんですよ。それで、商業科で大学進むってなったら簿記で商業科で経営学部や経済学部なんだけど、それが嫌で。「大学まで行って簿記なんてやりたくないよ」って思っていたんですけど、優良な簿記専門の会計士を目指す大学を先生に紹介されて「推薦でいけるよ」って言われて。でも、簿記やりたくないからその推薦を断ったりしましたね。大学で何を学びたいかなんて全く決まっていなかったんですけどね。(笑)その時に自分に何が必要かなって考えて、高校の時は簿記しかやっていなかったから視野が狭いと思ったから色んなことを学べる学部に行きたいなって思って、大学は今のグローバル・メディア・スタディーズ学部っていうプログラミングなどの理系チックなこともやるし、国際関係のこともするし、そこで自分のできることを全て吸収できればと思っていて。そんな感じですかね。

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りく:学生時代の頃から自分の好奇心が向く方向へいくっていう感じはあったんだね。

 

白石くん:そうですね。ありましたね。特に今の学部では色々なことを学べて、その中でも一番好奇心が働いたのが国際関係で。それで前期の授業で国際関係の授業を受けて、それで実際に行かなきゃ分かんないじゃんってなって。実際に行ったらNGOの穴を見つけて、穴をどうやったら埋めるコットができるんだろうって考えた時に「個人的にいくしかないじゃん」ってなって、個人的に今回のプロジェクトCurious Journey)を打ち出したって感じですね。

 ボランティアで行く時は、現地のNGOと日本のNGOがあってそこで情報交換をしているわけなんだけど、日本のNGOに「現地で学校の保全活動をしてください」って言われていて、具体的な内容としては「ウォータータンクを作る」ってことだったんですけどね。でも、現地に行くと既にウォータータンクは出来ていて、それで「俺たち何するの?」って現地のNGOに聞いたら、「黒板が汚くなっているから黒板を塗り直して」って言われて。でも、黒板を塗り直す作業自体は1~2日で終わるわけですよ。それで、「次に何をすればいいの?」って聞いたら「植樹をしてください」って言われて、「植樹?」ってなったんだけど、確かに植樹にも暑い地域だから木を植えて影を作るっていう意味があって。でも、すごい荒れた更地みたいな場所に木を植樹しなければならないから、現地のNGOの人に「この土地で育つの?」って聞いたら「そこに枯れているのが去年来たボランティアの人が植えた木だよ」って言われたんです。その時に「そんなことをやりに来たわけないんだよな」って思って。手に豆を作りながら一生懸命植えても結局は来年枯れちゃってるって意味ないじゃんて思って、これがまずおかしいなって感じて。それで現地のNGOに「こんなんじゃ現地の維持になってない」って抗議をしましたね。実際に、ボランティアしに行っている学校の校長先生とかに話を聞くと「本当はもっと違うことをやってほしい」って言っていて。そっちのニーズに合わせた活動をしたいと思って、学校の校舎の屋根とかも穴が空いていたりとか、下のコンクリートもボロボロだったので、こっちの方が大事だろって思って現地のNGOに「こういうところを修復する作業の方が優先じゃないですか?」って言いに行くと「私たちにはお金がないんだよ」って言われたんです。

でも、そんなはずはないんですよ。私たちが活動に参加するためにNGOに払っているお金って現地のケニア人の年収の数倍っていうお金だから、「お金がない」なんてことは絶対になくて。それで、そんなこと言うなら現地のNGOの言うことに従わないって抗議して、現地の状況の調査を自分たちでやりだして学校の先生や村の人たとかにもインタビューをとったりしました。ただ、この村だけ調査してもダメだと思って派遣先の隣町とかにも調査をしに行ったら、隣町の学校の方が状況がやばいことに気づいたんですよ。でも、ボランティア派遣されているのは隣町の学校じゃないから、そこで何か出来るわけじゃないんです。それで、一旦切り替えて「派遣先の学校で果たして何ができるのか」って考えた時に、1つは日本人だから日本の文化を広めるための授業をやろうってなって、もう1つはマラリヤとかで両親がいなくなっている子たちとかもいたのでメンタルケアをしようってなりました。あと、現地に行って実際に分かったことは「ジガー(jigger)」っていう日本語で言うと「スナノミ症」という足につく寄生虫がケニアでは蔓延しているんです。スナノミ症は衛生的に悪いところでかかりやすくて、足の裏に寄生することが多いんですけどサンダルさえ履いていれば深刻な問題にならないんですよ。でも、俺たちがすぐにサンダルを大量に用意して配れるかって言ったらそんなの出来ないわけじゃないですか。じゃあ、日本式の衛生についての考え方 (手の洗い方やスナノミ症への正しい知識)を授業で伝えようってなって。そういう風に「本当に現地の人たちにとってためになることはなんだろう」って考えながら授業を行なったりしてましたね。もし、現地のNGOに言われた通りに現地の状況を把握しないで植樹だけしてて本当に意味があるのかっていう。

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NGOの人たちがやっている活動ってすごく意味のあるものだと思うんだけど、ボランティア派遣ってなると派遣をさせているNGOにもそれなりの責任があるから、それほど治安の悪化している地域には行くことは出来ないし、しかも派遣先のNGOがあまり良くない組織だった場合に、日本のNGOへの情報共有がしっかりとしてなくて現地では適当に活動をさせられて活動資金の多くは地域の方に還元されていない状況もあったりして。それも現地に行って体験しないと分からなかったことだった。だから、ボランティア派遣として現地に行くってなった時にそこにただ参加しているだけではあんまり意味がないから、ボランティア派遣の形を変えて欲しいなって思いますね。もっと色んな人や組織と繋がるべきだと思います。現状としては、ボランティアはボランティアだけというなんかわけの分からない区切りがあって。だから、自分が知ったことを学生に伝えたいっていうのが目標でもあるし、やっていかなければいけない使命だと思っています。あと、やって自己満足で終わってしまう人たちが多いなって思うのでそこの意識も変えていければと思います。

 

りく:そんな背景があるんだね、知らなかったです。変えていけるといいね。

 

白石くん:そうなんですよね。ただ、日本のNGOって根本的に見直すっていうのは凄く上手くて。例えば、アメリカの団体だったら「水が足りない地域があったら水を支援物資として与える」っていうのが支援なんだけど、日本のNGOは「日本の知恵を相手に教える」っていうスタンスがあって。例えば水源を確保するために井戸の掘り方を地域の人に教えて派遣された技術者が帰っても現地の人たちが自力で井戸を作れるようにするって感じ。そういう基本的なスタンスが日本のNGOにはあるんですよね。でも、もちろん物質的な支援も人道的な支援も必要だとは思うんですけどね。ただ、それはきっちり調査しないとどっちの支援が必要なのか分からない。例えば、ネパールで学校に行けてない子供達がいっぱいいて、それで学校に行かせるために学校を作る。でも、なんで学校に行けないのかを子供達に聞いたときに「学校はあるけどバックも教科書もないから行けないんだ」って言われたとすると、だったら学校がある場所に新しい学校を作るんじゃなくて、物資を送った方が絶対に良い。でもその現状ってすごい調査をしないと分からないことで。しっかりとニーズにあった支援をする効率性を考えたら調査する人たちの力も必要だから、大きいシンクタンクみたいな調査する機関もつくらないとダメだなって思いますね。

 

りく:確かに調査がしっかり出来ていないと本質的な支援にはならないもんね。そこも変えていけると良いね。最後の質問になるんですが、失敗を恐れて挑戦できない若者に向けてのメッセージをお願いします。

 

白石くん:メッセージは、、、堀江貴文さんが近畿大学の卒業式で行ったスピーチでグローバル化が進む中でレールに敷かれた人生を歩むのは危険だ」と言っていて、これは間違いないと思うし、それを伝えたいですね。一般企業に就職して不景気の中でリストラされたら何もないという状況より自分が好きなことを突き詰める方が良い。そういう活動を評価してくれる人は必ずいるし、1人1人がやっていることって誰もが違うことで1人1人個性があって。その活動を支援してくれる人たちっていうのは、その活動に似た活動をいている人たちだけじゃなくて、もっと広い目でその活動を見ている人たちはいっぱいいる。SNSとかも発展しているし誰しもが活動を発信することができる時代だから、その活動をまずは発信しないとダメだと思う。

それで、失敗を恐れるっていうのは、「枠にはまる」っていうことで、それこそ20年前なら枠にはまっていてもそれが成立したかもしれないけど。でも、この20年間でインターネットや技術も発展していてその波に乗らないと飲み込まれるだけだから。失敗を恐れるなんてことは、今のゆとり世代と言われる人たちは絶対にしてはいけないって思う。実際にどうしろって言われたら、私みたいに好奇心だけで生きよう何て思わなくてもいいから少しはYESはYES、NOはNOって言える人間にならないと。例えば教授にこれをやりなさいって言われても「私はこうだから」ってきちんと言える人。両親に「休学をするなんてダメだよ」って言われたとしても「私にはこういう理由があるから休学したいんだ」っていう強い自分の意思をきちんと通せる人にならないとダメだと思います。枠を壊すって難しいと思うけど、枠を感じる場面てすごいあると思うから、枠っていうのは身近にあってそれを壊す場面も身近にあるから。「失敗を恐れる」なんだそれは?って感じですね僕からすると。だって失敗は気づきを与えてくれるしメリットが多いと思ってるから。そういうのも自分の人生を通して発信できればと思いますね。発信している人たちはたくさんいるしね。私が影響を受けた堀江貴文さんだってそうだし。彼なんて逮捕までされている人だけど今ではテレビにも出てコメンテーターとしても活躍してて結果として成功しているし、そういうロールモデルになるひとがテレビを通してでもいるわけだから影響されるべきだと思う。テレビに出てる人って視聴者に見せる価値があるってテレビ局の人たちに認められている人たちなんだよ。それを見て「ああすごいな」って単純に思うだけじゃなくてどうやったらあの人みたいになれるんだろうって目標としている人を超えられるステップ具体的に考えることが必要だし、それがないとダメだと思いますね。そういう風に考えられるようになって欲しいです。

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編集後記

クラウドファンディングREADYFORを見ていた時に白石くんが立ち上げたプロジェクトCurious Journey)を見つけてその内容に引き込まれ、直接連絡を取らせてもらい実現した今回のインタビュー。

実際にお話をさせてもらうと彼が達成したい世界についての熱い想いがビシビシと伝わってきました。特に学校で学んだ国際問題を他人事として机上の上だけ終わらせるのではなく、実際にケニアまで行ってよりリアルな情報を得ようとする貪欲な姿勢は見習うべきところがあると感じました。

春からいよいよ白石くんのプロジェクトCurious Journey)が始動するので、ぜひ応援してあげてください。

「好奇心が向いた方に素直に従って行動していく」僕自身もこうありたいですね。
インタビューを受けてくださりありがとうございました。


インタビュアー:りく
文責:りく