失敗の数だけ人生は面白い

「失敗」に対して厳しいクソッタレな世の中を打破して「挑戦」をしたくなる環境に変えていくことを目標に活動しています。

【本気の人に聞いてみた】人生のアーティスト、カヤノヒデアキとは?(後編)

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昨日、掲載した人生のアーティスト「カヤノヒデアキさん」へのインタビュー後編です。

プロフィール

カヤノヒデアキ
秘密結社tuituiの運営、社外無責任役。
大学中退後、漁師、人力車など様々な職を経験した後、現在では人生そのものをアートにするべく生きる。
2015年はパートナーと徒歩リアカーで日本縦断「婚前道中膝栗毛」を敢行。

また、EXILEのそっくりさんとして、笑っていいとも、ものまね紅白歌合戦に出演するなど、カオスな人間。


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(語り手:ヒデアキ 聞き手:りく)


りく:ところで、学生時代はどのような学生生活を送られてましたか?

 

ヒデアキ:最初は超普通でしたね。僕、リハビリの勉強してたんですよ大学で。いわゆる普通の大学生をしてたんですけど、医療系の学校だったので病院に実習しに行かなければならなかったんですね。その病院実習が苦痛でしょうがなくて、そこで「鬱」になっちゃって。そこから単位をもらえず留年?休学?みたいになり、、そこから人生が大きく変わるんですよ。「このままの自分じゃダメだ変わりたい」みたいになって。その時にまず本を読むんですよね。それまで全く本は読んだことなかったのに、読んでみたら面白い人いっぱいいるじゃんってなったんですよ。

それで、実際にそういう人たちに会いに行ったりして、そこで松永正樹さんとも出会えたりしましたね。あとは、自分の壁を壊していきたなと思ったから、海外に行ってみようと思ったんですよね。それで、短期留学みたいな感じで3週間一人でカナダのバンクーバーに行きましたね。バンクーバーって日本人とか東洋人とかいっぱいいるので、それだと馴れ合っちゃうなと思って、あえて日本人のいない学校に通ってましたね。あとは、ヒッチハイクもやってみたりもしましたし。少しずつ自分の中の壁をぶち破って行動して、そういう経験を積み重ねて今の自分があるって感じですね。「鬱」が無かったら人生開いて無かったし、普通に病院に勤めてたんじゃないかなー。

 

りく:学生生活の時に「鬱」になっちゃったわけじゃないですか。そこから立ち直れたのって何の影響が大きかったんですか?

 

ヒデアキ:そうですねー。その時に出会ってた僕の周りの人間が「アホ」なんですよね。今日僕は路上でやってましたけど、僕が入ってるコミュニティーには路上詩人がいたりとか。みんな当たり前のようにそういう活動をしてるんですよね。ヒッチハイクとかも今入ってるコミュニティーに入るまでは、僕の周りにやってる人なんて全くいなかったし、「俺やってやったぜ」みたいなのもあったけど。でも、そのコミュニティーに入ったらヒッチハイクなんて当たり前だったし。なんかそういう価値観に救われたというか、なんか持ち上げてもらえたのかなー周りに。

 

りく:学生中に「鬱」という大変な時期があって、その後にそのコミュニティーに出会えたって感じですか?

 

ヒデアキ:そうですね。それまで同じ学生の中では話をしても全く通じないんですよ。「松永真樹」という人の話題を出しても通じないんですよ。あとは、「てんつくマン」とか「中村文昭」とか。そういう人たちの名前を出しても全く通じなくて、全然なんかうーんみたいな感じだったんですけど。そのコミュニティー行ったら皆んなさっき上げた方の名前を知ってたりとか。そのなんか楽しみだったりとか。こんな風に生きてて良いんだみたいな。社会のレールとは別次元で生きている人たちと出会って、そんな生き方もあるんだみたいなのを見せてもらえたから今までやってこれてるんですよね。

 

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りく:出会ったきっかけというのは、実際に自分でアタックをかけてそういう人たちに会いに行った感じですか?

 

ヒデアキ:そうですね。そういうのもあるし、、そういうコミュニティーの人たちって結構イベントとかやってて、そしたらイベントに参加すれば会えるじゃないですか。そっからちょっと喋って交流を深めていったって感じですね。

 

りく:1人でそういう人たちにアタックをかけたり、イベントに行くのって躊躇してしまうことってなかったですか?

 

ヒデアキ:それは無かったかなー。まず、カナダに行った自分がいて。全然知らない土地に自分一人で飛び込んで行って、英語も全くできないけど、行ったらなんとかなったていう成功体験があったから躊躇しなかったのかなーって。

 

 

りく:そうなんですね。成功体験が自信になりますもんね。ところで、人との出会い以外にも人生に影響を与えたものってありましたか?

 

ヒデアキ:そうですね。僕の場合は「本」との出会いも大きかったですね。

 

りく:本はどなたの本に影響を受けられたんですか?

 

ヒデアキ:本は結構色んなものを読んだんですけど、、当時すごい僕を救ってくれたのは「プロは逆境でこそ笑う」っていう本があって。この本には5人の著者がいて、その中の一人は最近有名になってきた植松努さんっていう北海道でロケットを作っている人がいるんですよ。小さな中小企業なんですけどガチなロケットを作っている人がいて。その人が何でロケットを作っているかというと「どうせ無理」をなくしたいからやってるんですよね。みんなどうせ無理だって言うけど、一中小企業の人がロケットを作ってしまったら「どうせ無理」っていう言葉をなくせるんじゃないかというのを自分の生き様として証明したくてロケットを作っているっていう。そういう所に感化されましたね。

books.rakuten.co.jp

 

りく:その生き様カッコイイですね。今度読んでみます。最後に失敗を恐れて挑戦できない若者に向けてのメッセージをお願いします。

 

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ヒデアキ:メッセージとして伝えたいのは「人生を棒に振れ」ってことですね。この言葉は、僕が旅をしている時に出会った言葉何ですけど、鹿児島から富士山まで歩いている最中に「お前らいいな!人生を棒に振ってんなー」みたいなことを言ってくれて。それで確かに人生を棒に振ってんなーと思って。普通は、「人生を棒に振るなよ」じゃないですか。そこを逆説的に人生を棒に振れって言ってて。一見すると変な言葉なんですけど、めちゃめちゃ人生の本質を突いてるなと思って。なんか失敗が悪いことだみたいな風潮あるじゃないですか。人生を棒に振るっていうことを人生の目標に置いてたらどんだけ失敗しても良い訳じゃないですか。棒に振れば良いんだから。すると上手くやらなくても良いし、世の中が求める理想像みたいなのにも紛らわされずに「棒にどんどん振って良いんだ」みたいなマインドで生きたら、もっともっと心が自由になって、それこそアーティストになれるんじゃないかなー、芸術家になれるんじゃないかなーって思います。これが僕が出会った人生で最高の言葉であり、伝えたい言葉ですね。

 

最初は失敗することが怖いかもしれないけど、失敗してみたら、、あれっ?案外失敗しても死なないなみたいな。失敗はどんどんしていったら良いと思うし、案外やってみたら出来たりもするんですよね。僕も一年くらい前に「もし余命半年だったら何する?」って友達に聞かれてその時に一瞬出てきたのが、「日本全国の原発を歩いて回りたい」っていうのが頭の中に出てきちゃって。(笑)思い浮かんだのはそれだけど、よく考えれば本当にそれで良いのか自分みたいな。余命半年だったら海外とか行けば良いじゃんみたいなことも出てくるけど、最初にポンと浮かんだものをやってみようと思って。当時、お金も無かったし色々全部ないんだけどそういう言い訳を全部やめて実行しようと思ったんですよ。それで、7ヶ月くらいかけて歩いて鹿児島から北海道まで歩いていくっていうのをリヤカーに全部荷物積んでソーラーパネル積んでやったんですよ。でも、実行しようとした時にお金かかるじゃないですか。でもお金持ってないんですよね。これ僕一人じゃなくて彼女も付いてきてて。どうせなら婚前旅行にしてしまえってことで『婚前道中膝栗毛』っていう東海道中膝栗毛をもじってこのタイトルでやろうってなって。

hizakurige8.wix.com


でも、ソーラーパネル買うお金も無いし、どうしようてなった時にネットで調べてめちゃめちゃ良いソーラーパネルがあって、そのソーラーパネルを製造している企業にメールを送ったんですよ。こういう企画をしようと思ってるので提供してもらえませんかって。でも、企業にこういうの送るの人生で初めてで、でも送ってしまってるから後戻りは出来ない。(笑)そしたら向こうからメールが返ってきてじゃあ企画書を持ってプレゼンしに来てくださいってなって。やばいよ、企画書とか書いたこと無いよって思ってGoogleで企画書の書き方調べて作って、初めて会社にプレゼンをしに行ったっていう。そしたら企画が通って8万くらいするソーラーパネルを提供してくれて。でも、それだけではもちろんお金も足らなくて。

それで、リヤカーの上にお賽銭箱を設置したんですよ。そしたら7ヶ月歩いてただけで30万円入ったんですよ。みんなが頑張れよって応援してくれるんですよね。自分たちには出来ないことをお前たちはやってるからって。1万円とか2万円とか入れてくれる人もいて。ただ、この30万円だけでも足らなくて。そこでまた考えるんですよね。それで60人の諭吉プロジェクトをやろうとなって。あと60万円くらいあれば足りたから。最初はクラウドファウンディンウみたいにしたんですよ。いくら支援してもらえたら何かお返ししますみたいな。でも、途中から何か違うなと思って。見返りを求められたりするとそこに責任感みたいなのが出てきちゃって絶対にやり遂げなきゃいけないみたいになっちゃうから。そうするとつまんないし、純粋に企画を楽しめなくなるってなって。だから、見返りは無くして貰うだけにしようってなって。(笑)僕たちはこういうことをやってますって見せて、資金が間もなく尽きるので協力費をお願いしますみたいな感じでやったら、全然知らない人が最後20万円をブチ込んでくれたりして見事60万円を集めることが出来た。

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その人が本気で生きてたら何もなくてもちゃんと応援してくれる人が出てくるんだなって思って。だから、自分が何も持ってなくても良いんですよ。自分がお金持ってなくても持ってる人は世の中にいっぱいいるんだから。自分が勇気を出すだけっていう。何もなくても大丈夫。本当に余命半年だったらするのにしないっていうのは嘘じゃないですか。言い訳せずにしたいことをすれば良いんですよ。そのほうが楽しいですよ。

 

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編集後記

 ふと立ち寄った渋谷で「渋谷×便器」という一風変わった活動をしていたので、気になって話掛けてみたことから生まれた今回のインタビュー。「自分で自分の人生を生きる」これを体現してらっしゃるヒデアキさん。こういう生き方もあるんだぞ、多種多様な生き方があって良いんだと気付かされました。


お話をすればするほど魅力的で引き込まれる存在のヒデアキさん。
僕も人生を棒に振ってやりたいことに言い訳せずに取り組んでいこうと思います。

 

インタビューを引き受けてくださりありがとうございました!!


インタビュアー:りく
文責:りく